平和を創る道の探求 – ウクライナ情勢・台湾問題を踏まえ

日時:4月13日(木)18時~19時30分
講師:孫崎 享 先生(まごさき うける)
演題:平和を創る道の探求 – ウクライナ情勢・台湾問題を踏まえ
参加費:無料
参加申込:ホームページ問い合わせから(Zoomリンクとお振込先はお申込み後にご案内いたします)
見逃し配信:日程のご都合が合わない方には見逃し配信がございますので、お申込み時に見逃し配信希望とお伝えください。

講演要旨:
平和憲法を持つ日本が予算、法制で戦争をすることが可能になろうとしています。多くの野党がこの動きに協調し、戦前・戦中の大政翼賛会の様相を呈しています。なぜこのようなことになったのでしょうか。
背景にはウクライナ問題があります。糾弾と制裁で問題を解決しようとしています。過去の経緯と、国際的合理性を基礎に妥協を図る志向がほとんどありません。妥協点を模索し、合意を守る思考の欠如は、台湾問題、尖閣問題、北朝鮮問題にも共通しています。
その背後に「対米従属」の思考があります。だが、米国の一極支配の時代は終わりました。米国の支配が終わる時期、「対米従属」が日本の国益か否かを真剣に考える時に来ています。

講師略歴:
1943年生まれ。東京大学法学部中退、外務省入省。英国、ソ連、米国(ハーバード大学国際問題研究所研究員)、イラク、カナダ(公使)勤務を経て、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使。2002~09年防衛大学校教授(公共政策学科長、人文社会科学群長を歴任)。退官後も精力的に国際関係や国内政治等について言論活動を行う。
著書 :『日本外交 -現場からの証言』(第二回山本七平賞受賞、中央公論新社)、『平和を創る道の探求』、『情報と外交』、『日本の領土問題 – 尖閣・竹島・北方領土』、『ゾルゲ事件の正体 – 日米開戦とスパイ』、『日米同盟の正体』、『戦後史の正体』、『朝鮮戦争の正体』など多数。

学堂会から
自衛権という言葉が軽々しく使われているように思います。
尾崎行雄は1947年出版の「民主政治読本」P.84で自衛権という言葉を使っていますが、国の防衛についてではなく国民の防衛のための言葉として使っていますのでご紹介します。
「もし立法府が、国民の身体に関する権利や自由をそくばくしたり、不当不公平な税金をかけるような法律をつくれば国民のこうむる迷惑は、けだし甚大であろう。そしていかなる場合にも、絶対に国民をうら切ることのない法律制定者(立法府)を作るか否かを決する力は、一票の選挙権である。この一票こそ、人間の生命財産その他の権利自由を確保する最後唯一の自衛権であることを知らなければならない。」
国際関係の中で国を防衛するには世界の潮流と相手を知り、そして己を知らなければなりません。
その前提として、国内で国民が尾崎の言う所の自衛権=投票権を行使し、国民が国家を統御しなければ国家は国民を置き去りに自衛権の名のもとに暴走していくことは日本、そして世界の近現代史が教えるところです。
生命財産その他一切の自由と権利が守られるべき一人ひとりの人間同士、孫崎先生と共に世界の潮流を学び、この国で平和を創る道をご一緒に探求してまいりましょう。

学堂会代表 太田敦之

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