日時: 2022年12月21日(水) 18:00~
演題 : 名画で政治を考える
講師:孫崎享氏(まごさきうける)
会費:2000円(学生無料)
お申込み:弊会ホームページお問い合わせ、もしくはPeatix(https://peatix.com/event/3424557/view)から
申し込み後・お支払い確認出来次第、Zoomリンクをご案内します
Group Discussion:講演後に小グループで各人の見方、感じ方をシェアし学びを深める対話を行います。是非ご参加ください!(講師も各グループをまわって対話に参加します)
Zoomでの表示名:申込時に使用したお名前で入室お願いします
講義内容:
名画は人々の心を打ちます。花鳥風月、美人画など、日本には数多くの作品がありますが、戦争を除き、政治関連の絵画はほとんどありません。しかし、西欧の絵画には力強い政治をテーマにしたものが多く存在します。
名画は何を訴えているのか、名画で政治を考えます。特に①ゴヤからの流れ:ゴヤ『マドリード、1808年5月3日』、モネ『皇帝マキシミリアンの処刑』、ピカソ『朝鮮の虐殺』、ロックウェル『ミシシッピーでの殺人』、②第二次大戦と絵画、日本:推進派(藤田嗣治、安田靫彦、上村 松園、横山大観)、中立(平山郁夫)独立・批判派(松本竣介、香月泰男)、米国:国吉康雄と強制収容所、を重点的に説明したいと思います。
講師略歴:孫崎 享 (まごさき うける) 氏
1943年生まれ。東京大学法学部中退、外務省入省。英国、ソ連、米国(ハーバード大学国際問題研究所研究員)、イラク、カナダ(公使)勤務を経て、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使。2002年から防衛大学校教授。公共政策学科長、人文社会学群長。2009年退官。
著書 :『日本外交 -現場からの証言』(第二回山本七平賞受賞、中央公論新社)、『平和を創る道の探求』、『情報と外交』、『日本の領土問題 – 尖閣・竹島・北方領土』、『ゾルゲ事件の正体 – 日米開戦とスパイ』、『日米同盟の正体』、『戦後史の正体』、『朝鮮戦争の正体』など多数。
お問い合わせから参加申し込みの方のお振込先は以下の通りです。
参加費振り込み先 : 郵便局口座
宛名 学堂会 代表者 太田 敦之
記号 11330
番号 02655161 (← 8 桁)
尚、上記口座を他金融機関からの振り込みの郵便局受取口座として利用される際は、次の内容をご指定下さいますようお願い致します。
[店名] 一三八 (読み イチサンハチ)
[口座番号] 0265516(←7桁)
学堂会より
憲政の父、尾崎行雄は絵は描きませんでしたが、彼の政治に対する考えを込めた短歌をよく作りました。
また、作家であった坂口安吾は尾崎行雄の自由人の精神を「咢堂小論」(1945年)で「文学者以上に文学者的」な人間と書いています。
そのような精神を持っていたからこそ、尾崎行雄は東京市長、文部・法務大臣以外は政治的権力を握ることなく、その後は一人野党として藩閥政府や軍部と言論によって戦かった稀有な存在だったのかもしれません。
このことからも政治とは力であり、自由をこよなく愛する芸術とはかけ離れたものと考えられますが、両者の距離は現代でもなお近いと言えます。
政治の側からは常に芸術に規制の網をかけ手なずけ政治目的のための道具にしようとしがちです。
では芸術の側はどうでしょうか。
欧米の絵画には政治からのアプローチに与する形ではなく、芸術家自らの政治意識の表現として、政治をテーマにした作品が数多くあります。
それは近代以前に芸術が権力の庇護をあてにしてきた流れから、近代に入りベートーベンに代表されるように市民社会の中で芸術が確立される流れが生まれたからに他なりません。
そのような市民社会を基盤とする芸術には、自らの表現手段を通じて社会の矛盾や政治的抑圧等をテーマに人々へ訴える傑作が生まれ続けています。
表現の自由の砦である芸術活動の隆盛は、市民がいかに表現の自由を自らのもの考え、芸術を守り育てていくかにかかっていると言えます。
表現の自由と民主主義社会の在り方や国民主権とは何かを、孫崎先生とご一緒に有名画家達の日本ではあまり知られていない名画から考え直してまいりましょう。
当日皆様にお会いできることを願っております。また、ご興味のありそうなご友人等に本メールを転送等、情報拡散頂けると大変助かります。
学生は当会講演会に無料でご参加頂けますので、学生のお知り合いがいらっしゃれば、お声掛け頂けると幸いです。