解題:世界人口白書2024 – 性と生殖に関する健康と権利の不平等を終わらせるために –

日時:6月13日(木)19時から20時30分
講師:成田 詠子(なりた えいこ)国連人口基金駐日事務所所長
参加費:無料
開催形態:Zoom
お申込み:本HPお問合せから
講演要旨:国連人口基金発行「世界人口白書2024」の主な課題を解説します。その後参加者の皆様と意見交換・議論します。
以下、「世界人口白書2024」に関する国連人口基金の声明文等から抜粋
今年は、1994年の国際人口開発会議(ICPD)から30周年を迎えます。
30年前、世界各国の政府は、セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SHRH:性と生殖に関する健康と権利)が世界の開発の礎石であることに合意しました。
これは画期的な合意であり、その後数十年にわたる進歩の道を開きました。
すべての人のための性と生殖に関する健康と権利を達成するために、私たちがどれほどの道のりを歩んできたのか、振り返る機会です。
人類の織りなす布は豊かで美しく、80億本を数える糸からなる織物であり、私たち一人ひとりが唯一無二の存在です。
私たちのレジリエンスは個々の糸からではなく、全体が織りなす集合体から生まれます。
それが私たちの強さであり、共に協力し合うことにより私たちが前進し、成功する方法なのです。
講師プロフィール
東京都内のアメリカンスクール卒業後、アメリカのコーネル大学で学士号、ハーバード大学で修士号、千葉大学で博士号取得。専攻は都市計画。
2003年、国連経済社会局(UNDESA)コンサルタントとして国連機関でのキャリアを開始。
2005年国連開発計画(UNDP)東京事務所プログラムアシスタントを経て、2006年よりジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)としてフィジー国連常駐調整官事務所(UNRCO)に勤務。
2008年から国連本部ニューヨークの国連開発業務調整事務所(UNDOCO、現UNDCO:国連開発調整室)のモニタリング・評価専門家。
2010年から2012年までユニット長としてラオス国連常駐調整官事務所に勤務。
2012年から国連人口基金(UNFPA)イエメン事務所の副代表を務めた後、バンコクのアジア太平洋地域事務所でプログラムスペシャリストとして勤務。
2018年にバングラデシュ事務所の副代表に就任。2021年11月から2022年6月まで代表代行として従事した後、2022年10月より現職。
国連人口基金駐日事務所
国連人口基金(UNFPA)東京事務所が開設されたのは2002年9月1日。
日本は、国連人口基金にとって主要な資金援助国であり、日本政府や日本のみなさんにもっと人口問題や性と生殖に関する健康/権利(SRHR)の重要性について、そして国連人口基金への理解を深めていただくことが不可欠であると考え、設立されました。
また、2021年8月に国連人口基金(UNFPA)駐日事務所と名称変更されました。
駐日事務所と同様、支援国への広報や政策提言(アドボカシー)を行う連絡事務所は、アディスアベバ(エチオピア)、ブリュッセル(ベルギー)、コペンハーゲン(デンマーク)、ジュネーブ(スイス)、ワシントンD.C.(米国)、ロンドン(イギリス)、ソウル(韓国)にもあります。
学堂会から
尾崎行雄の三女、相馬雪香(難民を助ける会元会長)は尾崎のことを「なんだかんだ言っても明治の男よ」と言っていました。
当事者の女性からすれば、憲政の父も形無しです。
しかし、尾崎は男女の同権を論じ、立憲政治の確立には女性の力が重要としました。
道理で判断できる人間が育つために家庭の立憲化を唱え1926年に「婦人読本」を出版しています。
戦後に書いた「民主政治読本」では第8章を「婦人参政」と題し、「民主政治を建立する新しい力として、2000余万の婦人の力が加えられたことは、三つの八八艦隊、100万の陸空軍にも増した日本の強味である」と述べています。
同時に戦前の「婦人読本」は女性に参政権のない時代のものであり、「民主憲法実施後の時勢に適するような「婦人読本」を書いてみたい」と述べています。
結局新たな「婦人読本」を執筆しませんでしたが、尾崎が生きていれば新たな「婦人読本」執筆にあたり、世界全体を視野に入れた国連人口基金発行の「世界人口白書」を必ず参考にしたことでしょう。
6月学堂会では国連人口基金駐日事務所の成田所長とご一緒に国連人口基金発行の「人口白書2024」を読み解きます。
私たちの社会、そして世界が性と生殖に関する健康と権利(SHRH)の観点から道理に適ったものなのか、民主的なのか一緒に学んで参りましょう。
そして、明らかに存在する道理に反した不平等を乗り越える知恵を獲得していきましょう。

7月と8月は学堂会はお休みです。9月学堂会については準備出来次第ご案内致しますので、お待ちください。
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学堂会代表 太田敦之
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