One Humanity

インド独立の父「マハトマ・ガンジー」の孫、ラジモハン・ガンジー氏(ジャーナリスト、作家、歴史・政治学教授、元上院議員)が、We Are One Humanity(WAOH)という団体を設立しました。
そして、世界中の人々にこう呼びかけています。
「善意、人権、そして民主主義の理想を保持し、回復する方法を探求するため、世界中の全ての人を招待します」
「民主主義と平等へ反対する推力が世界規模に存在します。そして、その推力はあるグループを至上とし、別のグループを蔑みます。WAOHはそうした推力への小さな応答です」

民(たみ)の声
一方、日本憲政の父「尾崎行雄」の孫・原不二子(弊会創設者、日英同時通訳者、AAR特別顧問)の次の言葉が、探査報道機関Tansa編集長コラム「民(たみ)の力」に紹介されています。
「民(たみ)の声を聴くのよ、決めるのは民(たみ)よ。民(たみ)が決めるの」
悲惨な戦争が世界中で起こっている中、多くの民(たみ)の声は「We Are One Humanity」と言っているのではないでしょうか。

誰が決めるのか
日本は「明治14年の政変」でプロイセン型の藩閥・門閥といった閥族が政治を決めることを決定しました。そして、英国型の議会制民主主義は後部座席に追いやられました。
その決定が、日本という国を第二次世界大戦で完膚なきまでに破壊しました。
そして、この戦争で300万人もの日本の民(たみ)を殺しました。
他国の民(たみ)を合わせれば、その数はさらに増えます。
こうした多くの民(たみ)の犠牲の上に現憲法を日本の民(たみ)は獲得しました。
しかし、相も変わらず閥族政治が大手を振って「憲政」を踏みにじっています。
「民(たみ)が決める」という「民主主義的理想」が日本を含む世界中で後退しています。
世界全体がまるで「明治14年(1881年)の日本」に戻っているかのようです。
(「明治14年の政変」の世界史的意味について、一橋大学副学長・大月康弘先生がご著書、「ヨーロッパ史 拡大と統合の力学」でご指摘されています)

学堂会が目指すもの
第二次世界大戦に日本が敗けた理由を、尾崎行雄は「日本人が立憲政治の運用をまちがえたこと」(民主政治読本)としました。
憲政は常に「民(たみ)による運用のまちがい」というリスクがあります。
2013年に尾崎の孫・原不二子が「憲政存立の危機」を感じ、それへの小さな応答として学堂会を設立しました。
学堂会は、民(たみ)が現憲法が擁護する「主権在民・人権・平和」について社会課題と関連付けて学び続けることが大切と考えます。
なぜなら、民(たみ)がそれらを学び続けることで、自由な社会の基盤となる「民主主義的理想」の保持、回復の推力となると考えるからです。
学堂会は、民(たみ)が「憲政」を正しく運用するための、「民(たみ)の、民(たみ)による、民(たみ)のための」、小さな学びの場です。
学堂会では、憲政がもたらす課題や困難をありのままに受け止め、それらから学びます。
そして、すべての民(たみ)が違いを乗り越え、共に生きることが出来る民主主義社会の実現を目指します。
そうした民主主義社会の究極の姿が、尾崎行雄が戦後提唱した世界連邦だと考えます。

昨年、皆様から賜った学堂会へのご支援とご厚意に心から感謝すると共に、2025年も是非ご一緒に学び続けてまいりましょう。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

2025年1月1日軽井沢・茄林荘にて
学堂会代表 太田敦之

この記事を書いた人